心の指針ルーレット



【力を振り絞る】

心の指針の@を書いた時、
私は、四十七歳の六月十二日を迎えていた。
その『一条の光』という小文は、
前月に大病をし、遺言のつもりで書き始めたものだ。

その頃の妻には、
結婚した三十一歳の時、
「もし僕の命が四十八歳までしかないとして、
それでも結婚しますか。」と問うた。
彼女は「十八年か。」とつぶやいた後、
「十八年間一緒に暮らせるなら、
結婚します。」と明快に答えた。
そして二年ごとに五人の子供を産んだ。

私は何とか力を振り絞って、
四十八歳まで生き、
心の指針を108まで九年分を書いた。

医学の常識に反して、
私は、一ヵ月後にも、
一年後にも、
九年後にも死にはしなかった。

死を覚悟した時、
本は三百書、
説法は九百回ぐらいだったろうか。
晩年の法が説けてないことを除けば、
「もう十分かな。」とも思った。

その後、二千書以上も本を出し続け、
世界伝道をし、三千回に向けて説法をするとは・・・。
そして自ら建てた学校で、
何千人もの子供たちを教育できるとは・・・。

還暦を過ぎて、やっと、
『力を振り絞る』という言葉に目覚めた。

(心の指針169)

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